カップは、トランプでいうハートに相当します。カップは液体物を入れる容器です。
そのため、水っぽい何かを暗示します。例えば、「感情」もその一つでしょう。生気に満ちたみずみずしい気持ち、悲しみに沈んだ湿っぽい気持ち、しっとりした恋する気持ち。そのような様々な感情をカップは受け止めてくれます。ここで受け止めると表現しましたが、どちらかというとやや受動的な態度を意味することもあります。
今回はタロットカードの小アルカナのCUPSカップ聖杯の意味を全て解説したいと思います。
タロットカード小アルカナの意味を解説①CUPSカップ聖杯
タロットカード小アルカナ「カップのエース」
カップから、清らかな水が溢れ出ています。さらに、この状況に対してキリスト教で聖なるものの象徴であるハトが祝福しているという、お墨付きです。
正位置の場合、喜びごとが多く、幸福であることを意味します。そして、この喜びを自分一人だけで独占せず、周囲にも分け与えなさいという意味でもあります。そういったことができれば、新たな恋が始まったり、人間関係がとても良い状態になったりするでしょう。
逆位置の場合、優しい感情が不足していて、思いやりや配慮が足りない状態であることを暗示しています。もしくは、優しい感情が強すぎて、理性的な判断ができていない状態であり、もう少し現実的な考え方の下、行動した方が良いという警告を暗示することもあります。カップのエースの逆位置は、確かにネガティブな意味はありますが、それほど深刻に捉える必要はないでしょう。
タロットカード小アルカナ「カップの2」
二人の人物が向かい合っています。お互いに重要な人物であり、信頼関係があるのでしょう。性別ははっきりしませんが、良きパートナーといえる状態ではないでしょうか。
そういったことから、正位置では特定の一人の人と関係を深めていく状態を意味します。親友、仕事上のパートナー、恋人などオンリーワンの人と以心伝心になるような関係を築きあげていくことでしょう。特にそのような人が思い浮かばない場合は、そういう人を見つけなさいと暗示しています。
逆位置の場合は、そのような大事な人と、別れるとまではいかなくとも、喧嘩が多発するなどで、関係がうまくいかなくなりやすいでしょう。特定の大事な人がいない場合は、パートナーを探すべき時期ではないことを意味しています。成果がでなかったり、厄介な人の目に留まったりしやすくなるでしょう。
タロットカード小アルカナ「カップの3」
三人組が乾杯をしている様子が描かれています。周りには農作物が生えているため、豊作を祝っているのでしょう。
正位置では、喜びごとを示すのはもちろんのこと、集団で分かち合うこと強く意味しています。何かしらの作業やトラブルを一人で抱え込まず、グループの仲間と助け合うことで問題は解決していくことでしょう。またそのグループは、見返りを期待している人たちというよりも、感情的な部分での繋がりを大事にしたいと考える人たちの可能性が高いです。何かお世話になった場合、打ち上げ等で労うことも忘れないようにしましょう。
逆位置の場合、グループ内の人間関係にひずみが生じやすくなります。仲間や知人が頼りにならず、一人で活動しなければならないことも出てくるでしょう。だからといって、無理に人脈を広げて何か問題を解決させようとしても、うまくいきづらいです。
タロットカード小アルカナ「カップの4」
正面には沢山のカップが並べられていて、さらにどこからか現れた手からカップが差し出されているほど満ち足りた状態である筈なのに、中央で座っている男性はどこか不満そうです。
正位置では、現状は悪くはありませんが、虚無感に支配されていて、何かつまらない、マンネリだと思いやすくなるでしょう。だからといって、自分から腰を上げて何かをするモチベーションもありません。停滞期とも充電期間ともいえ、無理に動く必要はない時期です。休むと決めたのならば休みましょう。
逆位置の場合、ようやく腰を上げる時期が来たことを示しています。手近なところで、気になるものには即対応してみる方が良いでしょう。あまり深く考えず、とりあえず動いてみることが大事です。また、人から手を差し伸べられたときも同様に、心を開いて、その手を取ってみましょう。そうすることで次第に生活が充実してきます。
タロットカード小アルカナ「カップの5」
中央には、喪服を想像させる黒い服を着てうなだれた男が立っています。彼の正面には3本のカップが倒れ、液体がこぼれています。こぼれた液体は取り返しがつきません。その後ろにはまだ2本のカップが立っていますが、男はそれに気づいていないようです。倒れたカップだけを見つめて、ひたすらに落ち込んでいます。
正位置では、悲しみや期待外れの状況を表わします。とはいえ、視野を広げてみれば、状況打開策が見つかる可能性もあるでしょう。5本中2本残っているということで、良くなる可能性は40%です。また、黒い喪服ということで、フォーマルな雰囲気が重要であると読むことがあります。
逆位置の場合は、視野が広がり後ろのカップに気付くということを示し、再起する、状況が良くなることを意味します。また、60%の確率での喜びごとがあるとも解釈できることでしょう。いずれにせよ、手元に残った可能性に感謝し、全力で邁進すべきときです。
タロットカード小アルカナ「カップの6」
街中で花を売っている人、花を買う人がやりとりしています。買う人には、花を届けたくなるような深い縁を持つ人がいるのでしょう。
正位置の場合、気持ちや運気の流れが過去の方向に向いています。自分がこれまで関わってきた人たちとの縁が復活する可能性があります。同窓会、実家の親戚の会合など故郷の人たちからの連絡があったときは、積極的に関わりましょう。恋愛運を占った場合は、復活愛の可能性を示しています。もし、このカードが出たにも関わらずそういった人との縁が感じられないときは、過去の行いや経験に開運のヒントがあると読んでください。
逆位置の場合は、未来の方向に気持ちや運気が向いています。過去にとらわれず、新しい出会い、新しいことに向かい合っていきましょう。また、成長性を考慮し、未来への投資ということから、自分より年下や目下の人を大事にするという読み方もあります。
タロットカード小アルカナ「カップの7」
7つのカップに、7つのシンボルが入っています。財宝、不動産、栄光、知性などの他に、蛇や怪物など狡猾さや力の象徴もあります。真ん中にあるのは、ベールに包まれている神秘や真理といった類のものです。この7つのカップは雲のようなものに覆われているのですが、これは誰かの欲望や想像の範疇の中にあることを暗示しています。
正位置の場合、この沢山の欲望や妄想に押しつぶされている状態を示します。際限なく考え込んで、一歩も踏み出せなくなっている状態です。実現の可能性はさておきとして、選択肢が多いのも動けない理由の一つかもしれません。とはいえ、思慮深いということも意味するため一概にネガティブな意味という訳でもありません。
逆位置の場合は、邪念の象徴でもあるような妄想の雲を吹き飛ばし、目標が定まっている状態です。優先順位がはっきりして身軽なため、行動力も出てくることでしょう。
タロットカード小アルカナ「カップの8」
8つの中途半端に積みあがっているカップを手放し、荒涼とした山道を先へ進んでいく老人が描かれています。老人が何を思って去ったのかは不明ですが、月が浮かない顔をしているところから、望む結果が得られなかったのかもしれません。
正位置では、満足できる結果であろうがなかろうが、先へと進む時期であることを暗示しています。仮に未練があったとしても諦めて、振り返らずに一歩一歩ゆっくりでいいので進むべきなのでしょう。もしくは、今のアプローチ方法を変える必要があります。そうすることで新たな出会いや成果、全く別の仕事に繋がっていくのです。
逆位置の場合、その場に踏みとどまります。諦めずに、根気強く向かい合っていることで、急に湧き上がってきた喜ばしい可能性に出会えるでしょう。また、別のネガティブなカードと一緒に出た場合、惰性に甘んじていることを警告しているので注意しましょう。
タロットカード小アルカナ「カップの9」
9つのカップをトロフィーのように飾り立てて置いて、その中心に自信に満ち溢れた男が偉そうな恰好をして座っています。このカードは、感情を重視するカップ系では珍しく、一見するとキャリアや社会的地位と色濃く関わっています。しかし、その本質は自分の中の自信といかに向き合うかがテーマです。
正位置では、自信に満ち溢れた状態で、目標の達成やキャリアアップ、社会的な高い地位を意味します。恋愛運でも、総じて吉報は期待できそうですが、癒しを求めている相手に対し、自信のある姿を見せすぎて、かえって気疲れをさせてしまわないように気を付けましょう。金運もいいですが、おおらかになっているので、出費は多くなりそうです。
逆位置の場合、チャンスを逃しやすくなります。その原因は、努力不足か自信がきちんと持てていないことであり、いずれも自分自身に関わります。
タロットカード小アルカナ「カップの10」
虹の輪の下で、幸せそうな家庭が描かれています。カップの数札の中でも一番大きな数であり、人間関係において、巻き込む人数がカップの3よりも多いカードです。
正位置の場合、大人数で幸せを享受するという意味になります。仕事をするにしても、沢山の人を巻き込み、大きな仕事をすることで良い成果が上がることでしょう。また、恋愛においても、単にパートナーとの関係が良好というだけでなく、家族もしくは共通の友人を巻き込んだ形での幸せなビジョンを示しています。
逆位置の場合、大人数での動きが良くない方向に向かうことを意味します。複雑な人間関係の中、いざこざが生じたとき、問題の解決は一筋縄でいかなくなります。また、恋愛においても、周囲の人を巻き込んでややこしい事態になりがちです。こういう場合は、可能な限り、運気が回復するまでソロで活動した方がいいでしょう。
タロットカード小アルカナ「カップのペイジ」
愛嬌のある若者を描いているカードです。柔軟性のある性格をしていますが、花柄の目立つ服を着て、杯に魚をいれるなど、ユニークなところがあります。しかし、それはピエロのように相手を喜ばそうとしてのこと。根は心優しい若者なのです。
正位置の場合、相手を喜ばせようとするホスピタリティさが評価されやすい時期です。きちんと接することでこちらの想いが通じやすく、人間関係は良好になるでしょう。ただし、ある程度臨機応変に対応する力は求められそうです。
逆位置の場合、人との接し方が不器用になりがちな時期です。杓子定規な対応になってしまい、他の人から不満を抱かれやすくなるかもしれません。逆に、自分で良かれと思った行動が、他の人から見ると変わっていると思われることもあるでしょう。あまり、身構えずかつ良識の範囲で、行動していきましょう。
タロットカード小アルカナ「カップのナイト」
白馬に乗った騎士が描かれています。右手に握っている杯には、そのまま花を入れて、女性にプレゼントしてしまいそうな雰囲気を醸し出しています。異性の心をつかむのが上手い、華やかな青年です。
正位置の場合、物腰が柔らかく、表立った対立をかわし、うまく立ち回る、でも芯はしっかりしている、そういった態度を取ることが吉だとしています。また、恋愛運で出たときは、男性が積極的にリードを取り、愛情溢れる関係になりやすいでしょう。
逆位置の場合、この華やかさが一転して、ふしだらな関係になります。周囲に見せかけのいい顔をし、不誠実な態度を取る人が現れやすいでしょう。男性側が好色で不誠実な態度を取らなくとも、女性側が相手のことを頼りないと思っているときにこのカードは出やすいです。また、物事に誠実でなく自己中心的ということで、趣味なり仕事なりを途中で投げ出すということもありえます。
タロットカード小アルカナ「カップのクイーン」
心優しい女王です。カップは水属性で、四元素の中でも女性的な性質が強く、4人のクイーンの中でも非常に女性的です。やや専業主婦っぽい方向性での美しく理想的な女性として表現されています。
正位置の場合、心の優しさ、穏やかさ、女性としての幸せを暗示します。大アルカナの女帝と似ていますが、女帝に比べれば、覇気がやや弱く、受け身的な態度が強くなります。また、感性をとても重視し、良くも悪くも浮世離れしている話と縁があるでしょう。美的感覚を活かすことは開運の鍵となります。
逆位置の場合、感性が強くなりすぎる状態か、極端に感性が鈍くなります。前者では、ややヒステリック気味になり、ちょっとしたことでも心に不安を抱えやすくなるでしょう。後者では、情が薄く、人間関係の潤滑油のようなものが足りない状態だと言えます。
タロットカード小アルカナ「カップのキング」
柔らかそうな衣をまとった王が描かれています。他の王に比べれば、厳つさは少ないかもしれません。そこはかとなく威厳は残しつつも、親しみやすい寛大な心の持ち主なのです。
正位置の場合、損得を考えず、寛大で人情味のある態度が幸運を呼びます。また、聞く耳を持つ余裕があるので、他人から慕われていくことでしょう。また、性格の良い年上男性を意味することがあります。
逆位置の場合、自分の心に余裕が無い状態であり、気分にむらが大きく、他人の心を掴むのが難しい状態です。また中途半端な優しさによって、不公平を生んだり、優柔不断な態度に振り回されたりすることもあるでしょう。異性のいる職場で仕事運を占った際に、逆位置が出た際は、セクハラや不倫が近くで起きることがあり、人間関係に歪さが生じる可能性があるので、注意してください。
目的別タロット占いのやり方
タロット占いのやり方の基本はこちらをご確認下さい。
▼タロット占いのやり方を超分かりやすく徹底解説
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最後に
タロットカード小アルカナの意味を解説①CUPSカップ聖杯
カップのエース
カップの2
カップの3
カップの4
カップの5
カップの6
カップの7
カップの8
カップの9
カップの10
カップのペイジ
カップのナイト
カップのクイーン
カップのキング